久留米藩主・有馬家に関する大名道具を中心に、武具や甲冑を公開します。
10代藩主頼永(よりとお)、11代藩主頼咸(よりしげ)所用の甲冑のほか、太刀・短刀・槍(やり)といった刀剣類、拵(こしらえ)などの刀装具、陣羽織などの装束を展示します。
また、騎馬行列の様子を描いた絵巻など、関連する絵画資料もあわせて紹介します。
10代藩主有馬頼永(よりとお)所用。大きな角と耳、長い髭を持ち、牙をむいた迫力ある魅(しがみ、獅噛)が兜(かぶと)の前立(まえだて)になっています。胴は鉄錆地の板を細かく重ねて鋲(びょう)で繋いでいます。威糸(おどしいと)の紺色が落ち着いた雰囲気を醸し出しています。貫(つらぬき、浅沓(あさぐつ))に使われているのは熊の毛です。頼永は名君と称されましたが25歳で没し、治世はわずか2年でした。
久留米藩最後の藩主有馬頼咸(よりしげ)所用。兜鉢(かぶとばち)や胴、籠手(こて)などが練革(ねりかわ)で作られています。胴や袖(そで)の裾に山羊の毛を貼った意匠は珍しく、威糸(おどしいと)や毛の白と、漆の黒の対比が美しい具足です。兜には金色の角と大きな耳を持つ魅(しがみ)が付いており、胴前には金銀の高蒔絵(たかまきえ)で龍が装飾されています。
太刀は長さが2尺(約60cm)以上で、反りが強いのが特徴です。信房は室町時代の備前(現岡山県南東部)長船(おさふね)派の刀工。重厚感があり、長い一筋の樋(ひ、溝)があります。下に掲載した拵(こしらえ)は、本作を納めるために作られており、有馬家で大切にされてきたことがうかがえます。
鞘(さや)には梨地に金銀の蒔絵(まきえ)で唐草と有馬家の紋である龍胆車紋(りんどうぐるまもん)、三つ巴紋(みつどもえもん)が表されています。柄(つか)は白鮫皮(しろさめかわ)を用い、目貫(めぬき)も三つ巴紋です。鐔(つば)は上下が張った形の唐鐔(からつば)で、儀礼用の太刀に使われる様式です。
騎馬行列を描いた図で、全長は40mを超えます。馬に乗った武士や、馬印(うまじるし)や挟箱(はさみばこ)などを持った足軽が行進する様子が描かれています。有馬家の家紋である釘抜紋(くぎぬきもん)の陣笠をかぶった兵の姿が多く見られます。
陣羽織は、陣中で具足の上に着用します。表は白羅紗(厚手の毛織物)地、内側は縹(はなだ)地に牡丹唐草文の金襴、縁は小桜韋(かわ)をまわしています。
開催期間 | 有馬記念館企画展「大名有馬家の武具甲冑」 ・会期:平成30年4月28日(土)~8月27日(月) ・休館日:毎週火曜日 |
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開館時間 | 10:00~17:00(入館は16:30まで) |
入館料 | ・一般…200円(150円) ・高校生以下無料 ・( )内の50円引きの料金は、15名以上の団体料金です。なお、高校生以下の方など、無料で入館されるお客様は団体の人数には含まれませんので、ご注意ください。 ・身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳又は療育手帳の交付を受けている方とその介護者1名は無料となります。ご来館の際は手帳を提示してください。 |