久留米は、水や緑の豊かな自然に恵まれ、古来より交通の要衝として栄えてきました。そうした重要な地域であるため、中世・戦国時代には、豊後大友氏や肥前龍造寺氏などの諸勢力が、在地の有力領主たちを巻き込んで衝突し、しばしば合戦の舞台となりました。
小川区有中世文書は、現在の久留米市田主丸町船越を拠点とした領主小河(小川)氏が、15世紀から16世紀にかけて、大友氏から発給された文書を中心とする史料群です。久留米市に現存する数少ない中世・戦国時代の貴重な古文書であることから、平成29年2月13日に市の有形文化財(古文書)に指定されました。
本展では、小川区有中世文書を市指定後、初めて一挙公開するとともに、同史料群を大切に守り伝えてきた小川天満宮ゆかりの歴史資料を紹介します。
享禄(きょうろく)元年(1528年)、大友氏から小河中務少輔(おがわなかつかさのしょう)に対して、「鰺坂庄之内鯉壇三町(あじさかのしょうのうちこいのだんさんちょう)の支配を認める文書です。
義鑑は大友氏20代当主。
「鯉壇」は江戸時代の恋段村。現在の久留米市宮ノ陣町若松辺りです。
永禄(えいろく)2年(1559年)、大友義鎮から小河六郎(おがわろくろう)に対し、侍嶋合戦(しとうかっせん)で父・小河鑑昌(あきまさ)が戦死した忠義を称え、その跡目の相続を認める文書です。
義鎮(宗麟(そうりん))は大友氏21代当主。
同年4月、大友軍は筑前侍嶋(現在筑紫野市南部)で筑紫惟門(ちくしこれかど)勢と戦い多数の死者を出しました。
小河中務少輔(おがわなかつかさのしょう)からの年賀に対する礼状です。天正3年(1575年)から4年ころと考えられます。
久留米市文化財指定後初公開となる「小川区有中世文書」について、写真や解読文を交えながら、分かりやすく解説します。
◆日 時:令和元年5月18日(土)14:00~15:00
◆講 師:企画展担当学芸員
◆定 員:35名(13:30の開場より先着順)
◆会 場:田主丸複合文化施設(そよ風ホール)研修室1
(久留米市田主丸町田主丸770‐1)
TEL 0943-74-4000
FAX 0943-73-4030
◆聴講料:無料
◆お問合せ:久留米市市民文化部文化財保護課
TEL 0942-30-9323
FAX 0942-30-9714
開催期間 | 令和元年度有馬記念館企画展「小川区有中世文書」 ・会 期 平成31年4月20日(土)~令和元年7月29日(月) ・休館日 毎週火曜日(ただし、4月30日(火)は開館します) |
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開館時間 | 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
入館料 | 一般 200円(150円)、高校生以下は無料です ※( )内は15名以上の団体料金です。ただし、無料で入館されるお客様は団体の人数には含まれませんので、ご注意ください。 ※身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳又は療育手帳の交付を受けている方とその介護者1名は無料で入館できます(受付で手帳をご提示ください)。 |
その他 | ・上下階への移動は、車椅子対応のエレベーターがあります。 ・1階の多目的トイレは、車椅子でもご利用できます。 |