2021年は、有馬 豊氏(ありま とようじ)が北筑後21万石を治める久留米藩初代藩主として、初めて久留米城に入城してから400年の節目の年です。
豊氏入城後、久留米藩領内では、歴代藩主によって藩領の安定と経済の発展が図られるとともに、大名家の格式にふさわしい文化が形づくられていきました。
久留米入城400年記念企画展Ⅲとなります本展では、茶道や詩歌に優れた大名有馬家の側面を伝える書画や工芸のほか、その帰依を受けた寺社に伝わる資料を公開し、有馬家が治めた約250年の間に、久留米藩領内で花開いた様々な文化の姿をたどります。
なお、前期12月11日から2月7日までと、後期2月9日から4月4日までで展示を一部入れ替えいたします。
平家物語の一ノ谷と屋島の戦いの場面を壮大なスケールで描いた本作は、落款より久留米藩お抱え絵師三谷永伯の作と想定されています。
一ノ谷の合戦図屏風には、画面右側に生田の森、中央に平氏が一ノ谷に構えた陣、左側に平氏の武将たちが敗走する須磨の海が描かれています。
また、八島の合戦図屏風には、海上の船に掲げられた扇を射落とす那須与一や、海へ落とした弓を武士の誇りを掛けて拾い上げる源義経などが描かれます。
柳原焼は、久留米藩有馬家9代藩主頼徳(よりのり)が久留米城内の柳原園で興した御庭焼です。日本国内・国外を問わず、様々な名器を模作して焼き立てました。頼徳が自ら制作した柳原焼には、土や釉薬などに対する徹底したこだわりが窺えます。家臣からも不白流の茶道に精通した者を輩出するなど、久留米藩の文化は、文化・文政期に成熟期を迎えました。
鞘(さや)には梨地に金銀の蒔絵(まきえ)で唐草と有馬家の紋である龍胆車紋(りんどうぐるまもん)、三つ巴紋(みつどもえもん)が表されています。柄(つか)は白鮫皮(しろさめかわ)を用い、目貫(めぬき)も三つ巴紋です。鐔(つば)は上下が張った形の唐鐔(からつば)で、儀礼用の太刀に使われる様式です。
古い歴史を持つ高良大社では、江戸時代に久留米藩の尽力により社殿や神幸が復興されました。その御神幸の様子が描かれた本絵巻は、背景に砂子・切箔を散らした豪華なもので、藩営的に催された神幸の盛大さを今に伝えています。
開催期間 | 令和3年度第3回有馬記念館企画展「久留米藩領文化ー祈りのかたち・風雅のこころー」 ・会 期 令和3年12月11日(土)~令和4年4月4日(月) ・休館日 毎週火曜日(祝祭日と重なる場合は翌平日) 年末年始(12月28日~1月1日) |
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開館時間 | 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
入館料 | 一般 210円(150円)、高校生以下は無料です ※( )内は15名以上の団体料金です。ただし、無料で入館されるお客様は団体の人数には含まれませんので、ご注意ください。 ※身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳又は療育手帳の交付を受けている方とその介護者1名は無料で入館できます(受付で手帳をご提示ください)。 |
その他 | ・上下階への移動は、車椅子対応のエレベーターがあります(現在、故障のため使用できません)。 ・1階の多目的トイレは、車椅子でもご利用できます。 |