2021年は、久留米藩初代藩主有馬豊氏(とようじ)が、久留米城に初めて入城して400年となる記念すべき年でした。
そして401年目となる本年は、まず大名有馬家の足跡と歴代藩主、そして、久留米城下町の人々のくらしに焦点をあてた展示会を開催します。
本展では、大名有馬家の格式や徳川将軍家との繋がり、江戸時代に歴代藩主が整備した久留米城下町での人々のくらしぶりなどを、書状や婚礼道具といった有馬家ゆかりの資料や、発掘調査で発見された出土品などを通じて紹介します。
なお、平常展(後期)は、9月3日~11月7日、11月9日~令和5年1月4日の2期に分け、展示の一部を入れ替えます。
犬張子とも呼ばれ、雌雄一対で作られます。犬はお産が軽く魔除けとされたので、中にお守りなどを納めて安産を祈願しました。重要な婚礼道具のひとつであり、婚礼行列では輿に乗り姫様とともにお輿入れしました。
胡粉(ごふん)(貝殻から作る白色顔料)や金泥(きんでい)で装飾され、松に鶴、花と丸紋などが描かれています。ひな調度としてミニチュア(右の写真)も作られました。
7代藩主有馬頼徸(よりゆき)が8代将軍徳川吉宗に歳暮の祝儀として小袖一重を献上し、その返礼として吉宗が頼徸宛てに発給した御内書です。ちりめん状の皺(しわ)加工を施した檀紙(だんし)という高級和紙を用い、「吉宗」の黒印があります。この御内書は文末に記載された老中の「本多中務大輔(なかつかさのたいふ)(忠良(ただなが))」を通して、有馬家の使者へ渡されました。
貝合せとは、貝の裏に描かれた絵や歌が対となるよう探す遊びです。対となる貝殻以外とはぴったりと合わないことから夫婦和合の象徴とされ、江戸時代には婚礼道具として用いられました。
指先に乗るほどの小さな貝のひとつひとつに、大和絵風のひなや花鳥が描かれ、桶には蒔絵で有馬家の竜胆車紋が描かれています。
発掘調査で出土した、ミニチュアのままごと道具です。現代のプラスチック製の大量生産品と違い、陶磁器や土で手作りされており、小さいながらも細部まで再現されています。発掘調査で数多く出土することから、子供の遊びの定番だったことが伺えます。
行器(ほかい)は、贈答品や戸外への食物の運搬に用いられた容器です。徳川家の葵紋があることから、精姫(あきひめ)の所用品であることが分かります。
黒漆塗の外箱には、三輪の梅花とともに「三田御住居(みたおすまい)」と記されています。これは、三田( 現東京都港区) の江戸上屋敷を住まいとした精姫をさします。有馬家御用達であった久留米市内の和菓子店「翠屋主水」が譲り受けました。
開催期間 | 令和4年度有馬記念館平常展「大名有馬家と久留米城下町」(後期) ・会 期 令和4年9月3日(土)~令和5年1月4日(水) 前期:令和4年4月23日(土)~8月28日(月) 後期:9月3日(土)~令和5年1月4日(水) ・休館日 毎週火曜日(祝祭日と重なる場合は翌平日) 8月30日~9月2日 12月28日~令和5年1月1日 |
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開館時間 | 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
入館料 | 一般 210円(150円)、高校生以下は無料です ※( )内は15名以上の団体料金です。ただし、無料で入館されるお客様は団体の人数には含まれませんので、ご注意ください。 ※身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳又は療育手帳の交付を受けている方とその介護者1名は無料で入館できます(受付で手帳をご提示ください)。 |
その他 | ・上下階への移動は、車椅子対応のエレベーターがあります。 ・1階の多目的トイレは、車椅子でもご利用できます。 |