本展では、江戸時代約250年間久留米藩を治めた大名有馬家の格式や、歴代藩主の足跡、久留米城下町の人々の暮らしぶりを紹介します。徳川将軍家との繋がりが窺える書状や、姫様の婚礼道具、発掘調査の出土品など、江戸時代の久留米を物語る多様な歴史資料を公開します。
前期展は、令和5年4月29日から7月17日、7月19日から10月2日の2期に分け展示の一部を入れ替えます。後期展は令和6年1月27日から4月8日までです。
起請文とは、神仏に誓いをたて、違反した際は神仏の罰を受けることを約束した誓約書です。誓いを記した前書と、受ける罰、神名を列記した神文からなります。一般に、社寺が発行する牛王宝印(ごおうほういん)の護符の裏を用いました。この起請文では、慶長五年(1600)に、上杉討伐への出陣を前に氏長(うじなが)(有馬豊氏(とようじ))が家臣に対し、「ひいきをしない」「異見を聞く」などの誓いを立て血判を据えています。
柳原焼(やなぎはらやき)は、芸術を奨励し自身も嗜んだ9代藩主頼徳(よりのり)のお楽しみ窯(御庭焼)です。頼徳自ら制作や陶工への指導行い、国内外の名陶の写しを焼きあげました。本作は、高麗茶碗の一種である朝鮮そば茶碗の写しです。高台際には、頼徳の花押「成」の陰刻銘と「柳原」の長円形の陽刻銘が入っています。
鞘(さや)の部分は、金箔を梨の肌のように蒔いた梨地の上に、金銀の蒔絵で唐草と有馬家の紋である龍胆車紋、三つ巴紋が描かれています。目貫にも三つ巴紋が施され、柄は白鮫皮を用いています。鐔(つば)は上下が張った形の唐鐔で、儀礼用の太刀に使われる様式です。藩主が儀式に用いる飾太刀であったと考えられます。
発掘によって、武家屋敷跡だけでなく町屋跡からも、数多くの硯(すずり)や水滴、硯屏(けんびょう)といった文具が出土しています。山口県下関市や宇部市周辺で現在も作られている「赤間硯(あかますずり)」という当時のブランド硯も出土しており、裕福な商家では一流品を所有することが自慢だったのかもしれません。
開催期間 | 令和5年度有馬記念館平常展「大名有馬家と久留米城下町」 ・会 期 令和5年4月29日(土・祝)~令和6年4月8日(月) 前期:令和5年4月29日(土・祝)~10月2日(月) 後期:令和6年1月27日(土)~4月8日(月) ・休館日 毎週火曜日 |
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開館時間 | 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
入館料 | 一般 210円(150円)、高校生以下は無料です ※( )内は15名以上の団体料金です。ただし、無料で入館されるお客様は 団体の人数には含まれませんので、ご注意ください。 ※身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳又は療育手帳の交付を受けてい る方とその介護者1名は無料で入館できます(受付で手帳をご提示くださ い)。 |
その他 | ・上下階への移動は、車椅子対応のエレベーターがあります。 ・1階の多目的トイレは、車椅子でもご利用できます。 |