令和3年、久留米藩初代藩主有馬豊氏(とようじ)が初めて丹波国福知山から久留米城に入城してから、400年の節目を迎えました。
大名有馬家は、江戸時代を通しておよそ250年間、11代にわたり久留米藩21万石を治め、城下町の整備や産業の奨励など、現在の久留米の礎を築きました。
本展では、久留米藩政のトップであるとともに、茶人、和算研究者、愛犬家など、バラエティに富む人材を輩出した有馬家歴代藩主ゆかりの作品や歴史資料を通して、その功績やエピソードを紹介し、知られざる人となりに迫ります。
久留米藩初代藩主有馬豊氏の肖像画。
1621年の久留米城入城以降、久留米藩の基礎を築きました。
本作は、顔の皺の様子から豊氏の晩年の姿を写したとうかがえます。上畳に座す束帯姿で描かれており、威厳を感じさせます。
着用している黒の袍(ほう)(束帯着用時の上着)は、官位が四位以上の者が着る事を許されました。
豊臣秀吉、徳川家康に仕えた初代豊氏。
本資料には、家康の居城となる駿府城の普請(土木工事)を豊氏が手伝ったことに対して、ねぎらう内容が記されています。豊氏はその他にも江戸城の本丸や石垣、大坂城の再建などの普請に携わっています。
10代藩主有馬頼永(よりとお)所用。
兜についている魅(しがみ、獅噛)が印象的で、大きな角と耳、長い髭(ひげ)を持ち、牙を向いた姿は迫力があります。この前立ては、有馬家藩主所用甲冑の特徴の一つであると言え、11代頼咸にも継承されています。
胴は鉄に漆で加工した鉄錆地の板を細かく重ねて鋲(びょう)で繋いでおり、家紋部分などの一部には鉄が使用されています。
久留米藩最後の藩主有馬頼咸(よりしげ)所用。
兜鉢や胴、籠手など、一般的には鉄で作られる部分に練革(加工した牛革)が用いられ、兜には金色の角と大きな耳を持つ魅(しがみ)が付いています。
胴や袖の裾に施された威糸(おどしいと)や毛の白と、漆の黒の対比が美しく、胴前には金銀の高蒔絵で龍が装飾されています。 修復後初公開します。
開催期間 | 令和3年度第1回有馬記念館企画展「久留米藩主有馬家歴代」 ・会 期 令和3年4月17日(土)~令和3年8月2日(月) ・休館日 毎週火曜日(祝祭日と重なる場合は翌平日) |
---|---|
開館時間 | 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
入館料 | 一般 210円(150円)、高校生以下は無料です ※( )内は15名以上の団体料金です。ただし、無料で入館されるお客様は団体の人数には含まれませんので、ご注意ください。 ※身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳又は療育手帳の交付を受けている方とその介護者1名は無料で入館できます(受付で手帳をご提示ください)。 |
その他 | ・上下階への移動は、車椅子対応のエレベーターがあります。 ・1階の多目的トイレは、車椅子でもご利用できます。 |